世の中には素敵なデザインのパッケージが溢れています。
それはこの数年で全体的なレベルがかなり上がっている印象です。ローカルでしか売っていない商品のパッケージも昔とは比べものにならないくらいデザインにこだわって作られています。
しかしこれだけ素晴らしいデザインの商品で溢れるとデザインのみで差別化を図るのはどんどん難しくなってきています。見た目だけが良い商品はやはり売れなくなってしまうのです。
となると差別化すべきは当然商品そのものになります。
市場で何が求められているのか、誰のどんなニーズを満たすのか、その商品が生まれることで世の中にどんな変化が起こるのか。余程独自性があり強烈な個性とインパクトのある製品を作っている企業なら別ですが、一般的にはそんな所から企画開発を始めるべきだと思います。うちはこんな商品を作ってるからどんなパッケージにしたら売れるかな?ではもはや通用しません。
パッケージデザインはそんな企画から生まれたコンセプトをいかに表現できるかが重要です。その商品の特徴や強み、他の商品との差別化要因などを表現し、しかも買ってほしいターゲット層が反応するデザインに仕上げる必要があります。又、市場のデザイン・リサーチもしっかりと行い他社と同じような見た目にならないように気をつける必要もあります。
以下はパッケージデザインに求められる主な要素です。
機能的価値
形状や形態、材質など世の中にある課題を解決できるような仕様を考えることは見た目のデザインよりも重要なことです。
情緒的価値
見ただけで高級だと分かる、子ども向けの商品だと理解できる、暑い日に食べたくなるような見るからに冷たそうなデザインである、など見たり触ったりすることで情動反応を起こす仕掛けが必要です。
コミュニケーションの役割
一瞬でその商品のコンセプトを伝える、その人にとって何が良いのかベネフィットを伝える、誰のためのどんな商品なのか伝える、などパッケージデザインで語られる要素は少なくありません。
心に棲みつかせる
コカ・コーラは何色?ヤクルトの容器はどんな形?いろはすのペットボトルはどんな特徴がある?そのブランドのカラーや形状、機能面など様々なデザイン要素が浸透すると人々の心の中に棲みつき、一番に想起されるようになります。それは正にブランドの資産といえるでしょう。
以下はPREO Inc.が手掛けたパッケージデザインの事例です。
見た目だけではなくどんなコンセプトが表現されているのかご紹介できればと思います。
「BeeHacchee」は熊本県にある菓子製造業「清正製菓」様のチーズケーキブランド「776CHEESECAKE」で販売される商品です。
熊本県産のチーズを使い、別添の蜂蜜をたっぷりかけて食べるチーズタルトなので、そのコンセプトが伝わるように蜂蜜のイメージの黄色と六角形のパッケージデザインにしています。
又、通常の776CHEESECAKE商品よりもカジュアルな印象に仕上げたかったのでクラフト紙がベースのパッケージになっています。
「祝杯プリン-hare」は熊本県南の津奈木町にある「あん・さんく」様の商品です。
このプリンは同じ町にある酒蔵の酒粕を使っています。単純に「酒粕プリン」として販売しても難しいので、日本酒を使っていることからお祝い専用のプリンとして販売しました。
日本酒の酒粕を使っていること、使い終わった後もこれで乾杯してもらいたいといったコンセプトから器を本物のお猪口にしています。又、お祝い用だと伝わるように水引のゴムで箱を留めています。
「九州南阿蘇研究所」は九州の良い素材を使ったオリジナル商品を製造販売するプロジェクトです。
このパッケージは第一弾商品である「はし田うどん」のギフトボックス・掛け紙・だしボトルのラベルなどです。
ミシュランビブグルマンを獲得したこともある高級うどんなのでギフトボックスも3版の箔押しで高級感を出しています。大切な方への特別なギフトとして自信を持ってお渡し出来るようなデザインに仕上げています。
この記事を書いた人
Shingo Furusho
PREO Inc.代表 / ブランディングデザイナー
PREO Inc.代表です。若い時にカフェ経営したり自分でハーブ育てて出荷してた経験から食のブランディングデザインやコンサルティングに特化してお仕事してます。全国の知られざる名品をリブランディングして世に出すべく日々奔走しています。